短夜(みじかよ)とは?

夏 至:令和5(2023)年 6月21日

陽熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以て也 [暦便覧]

◇夏至の気候は?

北半球では、1年で昼が最も長く、夜が最も短くなる。正午の時間帯はほとんど真上から太陽が照らされるので影も最も短くなる。冬至の頃と比べると、4時間以上、昼間の時間が長い。秋の「夜長(よなが)」に対して、短く明けやすい夏の夜は「短夜(みじかよ)」という。太陽が最も高い位置で燦燦(さんさん)と輝く日だが、日本では梅雨の時期で雨雲に日差しが遮られることもしばしば。そのため、日照時間がそれほど長くならず、昼が最も長いとは感じにくいようだ。これから夏の盛りへと、暑さが日に日に増していく。

◇夏至の動植物・自然現象などは?

  • うつぼぐさ……冬至のころに芽を出して、6~8月に紫色の花が花穂にいくつも咲く。夏枯(かご)草(そう)とも呼ばれ、花穂を煎じて飲むと利尿作用がある。また煎液は、ねんざ、腫れの塗り薬にもうがい薬にもよい。薬名は、all-heal(すべてを癒す)。
  • あやめ……あやめは初夏に咲く、美しい紫の花だ。どちらも優れていて選び迷うことをいう「いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)」ということわざがあるように、あやめはかきつばたや花しょうぶなどと似ているが、あやめの花にある網目模様で見分ける。

[参考:日本の七十二候を楽しむ ―旧暦のある暮らし―]

  • スモークツリー……枝全体を覆う花穂が煙のように見えるところからスモークツリーと名付けられた。白や黄緑、赤茶などもあり、梅雨時期の雰囲気のある花としてフラワーアレンジメントで使われることも多い。ドライフラワーにするのもおすすめ。ウルシ科の植物で、肌の弱い人が直接触れるとかぶれる可能性があるので注意が必要だ。花言葉は、煙に巻く、賢明。

[参考:旬のカレンダー 旬の暮らしをたのしむ会]

◇夏至の食べ物は?

  • おくら……夏のネバネバ野菜は、元気のもと。おくらに含まれるネバネバ成分は、免疫力を高めたり、ストレスで弱ったおなかの調子を整えたりしてくれる。同じネバネバ野菜の山芋と合わせて酢の物にしたり、カレーの具にいれてもよい。下茹でして冷蔵庫に入れておけば、刻んで薬味にしたり手軽に食せてよい。
  • 赤じそ……赤じそには、ビタミンA、カリウム、カルシウム、鉄分が豊富に含まれている。また、最近注目されているポリフェノールの一種のロズマリン酸には、アレルギー抑制効果があるとされている。梅干しを漬け込む時に欠かせないのが赤じそ。赤じそは6~8月に出回る夏の風物詩だ。この時期に赤じそシロップを作っておき、暑い日に冷水や炭酸で割って涼をとりたいものだ。沸騰したお湯に赤じそを入れると葉からすーっと色が抜け、お湯が赤じそ色に染まる様子は圧巻だ。色素が出切ったらざるやさらしでこし、砂糖を加えて弱火で煮て、お酢とレモン汁を加えたら出来上がり。
  • 鮎……塩焼きが夏の訪れを知らせる、鮎。6月に鮎釣りが解禁され、まさに夏が旬。川によって味が違うといわれ、きゅうりに似た独特の香りがすることから、香魚(こうぎょ)ともいう。骨ごと食べられるので、カルシウムやリンを豊富にとれる。天ぷらも美味だ。新鮮な鮎は、えらぶたを開き、えらが鮮やかな紅色である。

[参考:旬のカレンダー 旬の暮らしをたのしむ会]
[参考:日本の七十二候を楽しむ ―旧暦のある暮らし―]

◇季節のことば [茶道手帳 令和5年版]
短夜(みじかよ)   夏(なつ)闇(やみ)   夏(なつ)木立(こだち)   竹(たけ)落葉(おちば)   氷室(ひむろ)   幾(いく)山河(やまかわ)   瑞(ずい)星(せい)   銀河(ぎんが)   逢瀬(おうせ) 

◇季節を感じてみよう

  • キャンドルナイト……夏至と当時の夜に、ろうそくの灯をともすキャンドルナイトの輪が広がっている。ろうそくの多くはパラフィンという石油素材だが、日本で作られた和ろうそくは、櫨(はぜ)の実や米ぬかなど天然の植物からとれるロウでできていて、いやな匂いがしない。電気を消して、天然の火をともしながら、夏至の夜を過ごしてみるのもいいものだ。揺らいでは静かに燃え続ける炎を眺めていると、いつもより時間がゆっくり流れていくような気がする。
  • 二見興玉神社「夏至祭」……伊勢神宮にお参りする前に訪れるべきとされる三重県伊勢市の二見興玉神社では、夏至の前日に「鎮魂行法」、夏至の当日には「夏至祭禊」がおこなわれる。夏至の前後1か月だけ、夫婦岩の間から朝日が昇る。
  • 夏越しの祓(はらえ)……各地の神社では、6月末に夏越しの祓(はらえ)、12月末に年越しの祓がある。氏名と年齢を書いて、身体を撫で、息を吹きかけて穢れを託した紙の人形(ひとがた)を納めたり、茅(ち)草(ぐさ)で作った茅の輪をくぐって罪や穢(けが)れを祓う行事だ。半年に一度、穢れを祓って災厄を避け、清々しい気持ちで後半の半年へ向けてスタートするのも良いかもしれない。
  • 山開き……古くから日本では山は神様の籠る、神聖な場所とされてきた。そのためみだりに立ち入ることは憚(はばか)られていたが、一定の期間、修行のために登ることが許されるようになり、それに伴って山開きの神事が行われるようになった。日取りは各地で異なるが、現在の7/1は富士山の山開きの日だ。登山をスポーツやレジャーとして考えるだけでなく、昔の人々のように聖なる場所に赴(おもむ)くことという意識を持てば、ゴミの投げ捨てや高山植物の被害は無くなるのではないだろうか。
  • 半夏生(はんげしょう)……夏至から数えて11日目ごろ。「半夏半作(はんげはんさく)」といってこの頃までに田植えを終えないと稲の収穫が半分になるということわざがあり、農作の大事な目安の日となっていた。半夏生は半夏(はんげ)と呼ばれる「烏(からす)柄杓(びしゃく)」が生えだす時期から名づけられたとも、半夏生(はんげしょう)と呼ばれる「片(かた)白(しろ)草(ぐさ)」の葉が半分、化粧をしたように白くなる頃なのでこの名になったともいわれている。1年で最も湿気の多い不快な頃なので、「天から毒が降り、地から毒草が生える」という言い伝えがあった。場所によっては井戸に蓋をしたり、山菜や野菜の収穫を控える風習もあったとか。関西ではこの日、蛸(たこ)の足のように農作物が大地にしっかり根を張り豊作となるよう、祈って蛸を食べる地域があるという。蛸はアミノ酸のタウリンが豊富で、蒸し暑い時季の疲労回復効果もあり理にかなっている。

[参考:日本のしきたり和のこころ ―歳時記に込められた知恵とたしなみ―]

  • 祇園祭……京都の夏の風物詩、祇園祭は八坂神社の祭礼で、7/1から1か月も行なわれる長い祭りだ。平安京で疫病が流行った貞観11年(869年)に、無病息災を祈る儀式が行われたのが起源といわれる。最大の見せ場は、17日の山鉾(やまほこ)巡行(じゅんこう)。鉾や長刀(なぎなた)を立てた山鉾が、四条烏丸から京の町を眺める一大イベントだ。

[参考:日本の七十二候を楽しむ ―旧暦のある暮らし―]

◇北欧各地の夏至祭

  • デンマークやスウェーデン、ノルウェー、フィンランドなど北欧では、冬の間は太陽を拝める時間が少ないので、夏の到来を意味する夏至は多くの人々にとって喜ばしい日だ。そのため、夏至祭として大々的なイベントが数多くおこなわれる。
  • スウェーデンでは夏至を「夏至祭(ミッドサマー)」として(国中が週末休日で)盛大にお祝いする風習があり、クリスマスよりも大切な日と考える方もいるほどだという。家族や友人と歌ったりダンスをしたりして白夜を楽しく過ごす。
  • デンマークでは「聖ハンスの夜」と呼ばれるイベントがおこなわれ、さまざまな場所で焚かれた焚火の周りに人々が集い、ワインやビールを片手に思い思いに楽しい時間を過ごすのが習わしである。

[参考:KG Intelligence]

★ 児童厚生員 はがてぃ のおすすめあそび♪【季節感のないものもあります】★

◆おすすめのあそび
◇「まちがいさがし」
この中に違う文字がそれぞれ一つずつあります。見つけられるでしょうか?

◎まちがいさがしは知育に良いらしい

  • 『間違いさがし』をすると脳の前頭葉、頭頂葉と、主に画像的なワーキングメモリにかかわる脳の部分が活動する。
  • 間違いが見つかると「アハ体験」(答えがわかって「あ、なるほど」となった時に脳全体が活性化する体験)状態になる。

[『脳科学者が教える 子どもの地頭をよくする方法 』より]

自分で間違いを見つけられなくても、人に教えてもらったり答えを見たりしても「アハ体験」となり脳が活性化するという。絵の間違い探しや、画像が徐々に変化する物でも同じ効果があるでしょう。
みなさんも、周りの方が普段と違う髪形やメイク・ファッションをしていたり、持ち物や表情の変化を注意して観察してみてはどうでしょう?なにかに気づいたり、会話のきっかけになるかも…。

◆おすすめのボードゲーム(カードゲーム)

◇「ナンジャモンジャ」……2~6人用。対象年齢4歳以上。プレイ時間約15分。
『ナンジャモンジャ』は、頭と手足だけの謎生物ナンジャモンジャ族が描かれたカードが中央の場に次々とめくられるたびに、その人のセンスで特徴を捉えた名前を付け、それを全員で覚え、以降、めくられたらその名前をいち早く叫ぶことで溜まったカードを獲得し、集めた枚数を競うゲーム。
〇おはなし
大きな頭に手足が生えたナンジャモンジャ族は、なんでもかんでもすぐに忘れてしまう。彼らに新しい名前を付けてあげよう。

〇遊び方
① 1人ずつ代わりばんこに、山札から1枚ずつカードをめくっていく。
② 現れたのが初めて見るナンジャモンジャだったら、自由な発想で、ふさわしいと思う名前を付ける。
付けられた名前は、後で同じ絵のナンジャモンジャが出てきたらすばやく言えるように、しっかり覚えておこう。
③ そして、まためくって重ねて…とくり返していく。
もし、すでに名前が付けられたナンジャモンジャが現れたら、誰でもいいので、正しいすばやく名前を言おう。早く、正しく言えた人が、それまでに重ねられたカード束をもらう。
④ もし、何人かが同時に言ったので判定できないときは、重ねられたカードをそのままにして続ける。
山札が尽きたときに、集めた枚数が多い人が勝ち。
☆ここがおすすめ
おかしな名前を付けたり、最初のうちに「簡単」と侮っていたら途中でまったく思い出せなくなったりと、笑いが絶えずに盛り上がる。手軽に遊べる、子供から大人まで幅広い年齢層向けとして超おすすめのカードゲームだ。
・ナンジャモンジャ・シロ
・ナンジャモンジャ・ミドリ がある

◆おすすめのぬりえ

「大人のぬりえ」……6月「可憐な山野草」ホタルブクロ

ぬり絵の効果は無限大!脳と自立神経に働きかけ、ストレス解消にもおすすめ。

[脳が若返る、自律神経が整う、心が癒される12カ月の花々のぬり絵]

[はがてぃの作品を紹介!] ~色鉛筆~