一陽来復とは?

(とう) ():令和5(2023)年 12月22日

日南の限りを行きて、日の短きの至りなればなり [暦便覧]

冬至(とうじ)の気候は?

北半球では、正午の太陽の高度が一年中で最も低く、昼が最も短く、夜が最も長い日。太陽の力が一番弱まった日で、この日を境に再び力が甦ってくる。太陰太陽暦(旧暦)では起点となる日。翌日から次第に日脚が長くなっていくが、寒さはますます厳しくなっていく。

冬至(とうじ)の動植物・自然現象などは?

・柚子……初夏に白い花を咲かせ、秋に黄色い実がなる柚子。冬の鍋や焼き魚によく合う。また柚子胡椒は、ひと味きいた調味料として何かと活躍してくれる。

冬至(とうじ)(ばい)……梅といえば早春に咲く花という印象だが、このころに咲くのが冬至梅。一重咲きの白い花で、繊細な枝ぶりや上品な花の咲きようから、盆栽として好まれた。

・こげら……国内で見られるきつつきの中でもっとも小さな、すずめほどの鳥が こげら。灰褐色と白の縞模様の羽が目を惹く。きつつきが木をつつくのは、虫を捕ったり、巣穴を開けたりするほか、つつく音で縄張りを宣言したり、メスを呼んだりする意味も。メスに求愛するとき、こげらは1秒に20回もくちばしをすばやく打ちつけ、その音を森に響かせるそう。

(すずめ)……冬の寒い時期、雀がちぢこまって羽毛をふくらませるさまを、ふくら雀といった。また、元日の朝の雀や、そのさえずりを初雀(はつすずめ)という。

初茜(はつあかね)……初日の出の直前の茜空を、初茜という。夜の暗がりから白み、明るみ、やがて茜色に染まる東雲(しののめ)の空は、日の出より先に元旦の訪れを告げる。

冬至(とうじ)の食べ物は?

・白菜……鍋料理の定番食材である白菜は水分が多く低カロリー。冬を代表する野菜のひとつ。内側へいくほどやわらかで甘みが強く、鍋物や煮物向き。シャキシャキした食感を楽しめる外側を炒め物に。巻きがしっかりしているものがおいしく、カットされた白菜は断面が平らなほうが新鮮。

百合(ゆり)()……ほんのりした甘みやほろ苦さ、ほころぶような食感の百合根。茶碗蒸しやがんもどきの具など京料理によく使われる。旬は11月~12月。小鬼(こおに)百合や山百合など、花を咲かせる百合の根を食べる文化があるのは、日本と中国など一部のよう。古くから滋養強壮の薬ともされてきた。

(こい)……縄文時代かの昔から、日本人は鯉を食べてきた。かつては、鯛以上のごちそうだったそう。旬は、冬の寒さで身が締まり、脂がのった12月~1月。鯉の洗いや甘露煮に。また鯉の身を濃いめのみそ汁で煮た、こいこくは味わってみたい一品だ。

・まぐろ(くろまぐろ)……目も背も黒いから真黒というのが、まぐろの名の由来だそう。縄文時代の貝塚から骨が出土するほど、古くから日本人が食べてきた魚だ。本来の旬は冬。江戸の昔には、保ちをよくするため身をしょうゆ漬けにし、そのヅケを握ったのが寿司ネタになったとか。

◇季節のことば [茶道手帳 令和5年版]

(もち)つき   暦日(れきじつ)   (とし)()   除夜(じょや)   楽日(らくび)   つらら   (うず)(みび)   (けい)(うん)   松濤(しょうとう)   初夢(はつゆめ)

◇季節を感じてみよう

・一陽来復……(上昇運に転じる日)冬至の翌日から日が延びる為、この日は陰の極みで、翌日から再び陽にかえると教えられた。この日を境に」運が向く!

・「ん」のつく食材を食べて「運をつける」本格的な冬の寒さに備えて体調を整える。

にんじん、だいこん、れんこん、きんかん、ぎんなん、なんきん、うどん

・冬至がゆとかぼちゃ……小豆を入れたおかゆは(小豆の赤が太陽を意味し、魔除け)厄祓い。

 かぼちゃは栄養豊富で長期保存可なので、元気に冬を越すための栄養補給によいとされた。

・柚子湯……「一陽来復」の運を呼び込む前に厄払いするために(みそぎ)として実を清める。体を温めて風邪を引きにくい体をつくるため。冬が旬の柚子は香りが強く、黄色は魔除けの色とされ、邪気を払う意味もある。柚子は融通が利く。冬至は湯治。で、縁起が良いとされた。

血行促進で冷え性緩和、体を温めて風邪予防、ビタミンCで美肌、芳香でリラックス効果も良いとされた。

・クリスマス……日本でも定着したクリスマスは、イエス・キリストの誕生を祝う日とされた。クリスマスツリー7のモチーフは旧約聖書に登場する知恵の樹で、りんごや(つえ)を飾り、一番上に「ベツレヘムの星」をつけるのが伝統。クリスマスの定番料理はアメリカでは七面鳥、日本ではローストチキン。かつて、キリスト教司教のセント・ニコラスが貧困で苦しむ家の煙突から金貨を投げ入れたら暖炉脇に干されていた靴下に入った、という逸話がサンタクロースの由来だといわれている。

小晦日(こつごもり)……12月30日は小晦日、12月31日は大晦日(おおみそか)という呼び方があるが、つごもりとは、月が隠れる、(つき)()もりのこと。月齢で数える太陰暦では毎月末日は新月のことで、つごもりにあたる。ちなみに29日の9は「苦」を連想させるため、大掃除は28日までに済ませることとされていた。少し早めに正月の準備を終えて、一年をゆっくりふり返ってみるのもよいのでは。

(さい)(いち)……正月を迎えるための買い物客でにぎわう歳の市。門松や松飾り注連(しめ)飾り・注連(しめ)(なわ)、鏡餅……。また、お節の材料や雑煮用の餅などの買い出しも。鏡餅は新年の恵方に向けてつくる恵方棚や、神棚、床の間に飾るが、それらがないときは、白木の箱や塗り盆に半紙を敷き、その上に鏡餅を飾って棚の上などに備える。

・年越しそば……大晦日(おおみそか)に食べる年越しそばは、一年を締めくくる年の瀬の風物詩。細く長く幸せに暮らせますように、との願いが込められている。折しも11月~12月は新そばの旬。除夜の「除」とは、1年の穢れを取り除くという意味。煩悩の数と同じといわれる108回鳴らされる。

・正月……もともと年神さまを迎えてその年の豊作と家族の幸せを願う行事。年神さまのためにお(せち)料理を作り、正月飾りを用意する。また、邪気を(はら)って不老長寿を願う薬酒としてお屠蘇(とそ)を飲み、雑煮(ぞうに)を食べる。雑煮は年神さまに供えた餅を神棚から下ろし、野菜や鶏肉などと煮込んで作ったのが由来。関西では白味噌(みそ)仕立てで丸餅、関東はしょうゆ仕立てで角餅など、地域によって異なる。お年玉はかつて年神さまからの贈り物を意味し、餅を年少者に分けたのが始まりといわれている。

・お(せち)料理……正月のお祝い料理で、めでたいことを重ねるという願いを込めて重箱に詰められるが、地域により、家庭により中身は様々だ。節目に神様にお供えされる勝利を御節供と呼び、それが短くなってお節になったといわれる。

正月三が日は主婦が台所仕事を控えられるように、保存が効く料理が中心になるが、それぞれに、新年の幸せを願う気持ちが込められている。

*黒豆:一年中、まめに働き、まめ(健やかに)暮らせますように。

*数の子:(にしん)(二親)の子。子宝に恵まれ、子孫繁栄。

*田作り:片口(かたくち)(いわし)の稚児を干したもの。五穀豊穣を願う。

*たたきごぼう:土の中に根を張る牛蒡(ごぼう)は地にしっかり根付くことから、家の安泰や開運を祈る。

*海老:腰が曲がるまで丈夫という長寿への願い。

*昆布巻き:「よろこぶ」の語呂合わせからお祝いには欠かせない。

*きんとん:金団(きんとん)と書き、その黄金色から財産、富を得る縁起物に。

*伊達巻:伊達ものと呼ばれた人たちの着物に似ていたので、この名がついたとか。大事な文書や絵は巻物にしていたので、学問や習い事の成就を願う。

*紅白かまぼこ:紅は魔除けの色で慶びをあらわす色でもある。白は清浄を意味する。

・初詣……年神さまが神社や寺院にいる松の内(1月1日~7日、もしくは15日まで)に行くのが一般的。松の内とは、門松を立てておく期間で、関東地方では元日から7日まで、京都府周辺では15日の小正月までを指すことが多い。昔は地域の氏神様を(まつ)る神社にお参りして一年の無病息災を祈る人が多数だったが、今は近所の寺社や有名な寺社を好きに選んでお参りするようだ。破魔矢(はまや)は、魔除けのご利益(りやく)があるとされる正月の縁起物で、神棚や家具の上など家の高い場所へ祀る。

[参考:旬のカレンダー/日本の七十二候を楽しむ/日本のしきたり和のこころ]

★ 児童厚生員 はがてぃ のおすすめあそび♪【季節感のないものもあるよ】★

◆おすすめのあそび

◇コマ

*コマのヒモの巻き方〈右利きの人用〉

⓵手の親指で、ヒモの先を押さえて、右手に持ったヒモのを反時計回りでぐるりと棒に回す。

②コマの溝に沿って時計回りに3回巻きます。(力を入れて)

③(力を抜いて)ぐるぐる巻く。

④余ったヒモを右手の小指に絡ませる。

⑤人差し指をコマの側面、親指はコマの上面、他の指はコマの下面に添える。

〈コマの回し方〉

①腰を回すようにして後ろに引く。

②前に出す。手よりも腰を回すことを意識する。

③勢いを付けて腰を回してコマを放す。

※ 日本こままわし協会などもあるので、詳しく知りたい方はどうぞ。

協会のこまは、芯のバランスがよく、はじめて使う人やこま回し体験にぴったり!私もこのコマで初めて回せるようになったヨ♪

[参考:ミックスじゅーちゅ]

◆おすすめボードゲーム(カードゲーム)

◇福笑い……簡単に楽しめておもしろく楽しい遊び

おかめやおたふく、ひょっとこなどの顔の輪郭がかかれた紙の上に、目や鼻などのパーツを目隠しした状態で並べていき、できあがりの顔の面白さを楽しむ遊び。

 目を瞑って形や大きさなどの感触を頼りにどこのパーツなのか見当をつけていくため、遊びを通して子どもたちの想像力が刺激される。一人でも複数人でも楽しめる。

〈由来〉

お正月遊びとして、福笑いをするようになった起源や由来ははっきりとしていない。

定着した時期も定かではないものの、ある一説によると江戸時代の後期に福笑いが誕生し、明治時代頃に広く普及したのではないかと伝えられている。

遊んでいる最中の顔やできあがった面白い顔を見てみんなで笑い合うことから、「笑う門には福来る」ということわざのように、新年の幸せを願う意味を込めてお正月に遊ぶようになったのではないかと言われているそう。

お正月にみんなで福笑いを楽しむことで、自分自身や家族などにめでたいことが起きますようにと祈願する意味があったのではないだろうか。

また、福笑いではおかめやひょっとこの顔が使われるのが一般的ですが、用いられるようになった理由は明確ではない。しかし、福をもたらす縁起物として人々の生活になじみ深いものとされていたため、親しみを込めて使われるようになったと伝えられている。

〈用意するもの〉

 ・福笑い(台紙、パーツ)

 ・目隠し用タオル(バンダナ・てぬぐい)

〈遊び方・ルール〉

 ①福笑いのパーツを置く

 ②福笑いをする人が目隠しをする

 ③目隠しをしたままパーツを手に取り、形や大きさを確認して顔の中に並べていく

 ④すべてのパーツを並べ終わったら、目隠しを外す

 ⑤出来上がった顔の面白さを見て楽しめる

〈ポイント〉

・自分でオリジナルの顔やパーツを作るとさらに楽しめるかもしれない。

・「もう少し上」「もっと右」などと応援することで、ゲームがより盛り上がる。

 [参考:ちびむすドリル/保育士バンク]

◆おすすめのぬりえ

「大人のぬりえ」……12月「香り高い花」シンビジウム

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