寒中見舞いを出すのはいつから?

(しょう) (かん):令和6(2024)年 1月6日

冬至より一陽起るが故に陰気に逆らう故、益々冷ゆるなり [暦便覧]

小寒(しょうかん)の気候は?

・この日は寒の入り、これから節分(寒の明け)までの期間を「寒(寒の内)」という。この時期に出すのが「寒中見舞い」寒さはこれからが本番。池や川の氷も厚みをます頃。

小寒(しょうかん)の動植物・自然現象などは?

(ろう)(ばい)……年明けに咲く花のひとつが、蠟梅。淡い黄色の小花が枝にいくつも開く。この時期は旧暦では12月になり、別名を(ろう)(づき)とも。それが花の名の由来とか。かぐわしい香りをかぐと、新たな気持ちで新春を迎えられる気がする。

南天(なんてん)……「難を転ずる」に通じるために、古くから厄除けのお守りにもされてきた。葉は咳き止めなどの生薬になるほか、防腐効果があり、彩りも兼ねて料理や弁当に添えられる。

・寒の入り……一年でもっとも寒いこの時期を「(かん)」という。小寒からはじまるので、寒の入り。「小寒の氷、大寒に解く」ということばがあるように、小寒に張った氷が大寒に解けるほど、むしろ小寒のほうが寒いと感じるときも。また、転じて物事が必ずしも順序通りにはいかないことのたとえにも使われる。昔から、寒の内に体を鍛えると丈夫になるとされ、寒中水泳や武芸の寒稽古などの風習が今も残されている。

(かん)()の雨……寒に入って九日目に雨が降ると、寒九の雨といって豊作の吉兆とされている。もっとも厳しい冬の寒さの中にも明るい展望を見出していたようだ。

・春の七草……5節句のひとつにあたる1月7日の(じん)(じつ)に、今年も健康でありますようにと願って、春の七草の入った七草(がゆ)をいただく。お正月のご馳走で疲れた胃を休ませるという側面も。せり、なずな、ごぎょう(ははこぐさ)、はこべら(はこべ)、ほとけのざ(こおにたびらこ)、すずな((かぶ))すずしろ(大根)、春の七草。

6日の昼間に春の七草を摘んでおき、囃子歌を歌いながら、包丁で音を立ててながら賑やかに刻み、その周りで子どもたちが台所の道具を打ち鳴らしたりしたとか。音を出すのは農作物に害を与える鳥を追い払う「鳥追い」の儀式の要素が入っているためで、新年の健康と豊作を祈る行事だ。

小寒(しょうかん)の食べ物は?

鮟鱇(あんこう)……旬は冬。「鮟鱇は捨てるところがない」といわれ、トモ(ひれ)、皮、えら、アンキモ(肝)、水袋(胃袋)、ぬの(卵巣)、身のどれもおいしく、鮟鱇の七つ道具と呼ばれている。海のフォアグラとさえいわれるアンキモで鍋のだしをとり、七つ道具を入れ、味噌で味付けするどぶ汁は絶品だという。

(たら)()(だら))……やさしい白身の味は、鱈ちりにすると、他の具材と生かし合っておいしく体が温まる。火が通りやすく、身が崩れやすいので、先に野菜、後から鱈がよい。また、鱈の仲間のスケトウダラの卵がたらこや明太子になる。鱈の旬は冬。

・春菊……鍋やすき焼きに青々とした彩を添える野菜。旬は11月から2月。煮えてくたっとした葉には、独特の香りと苦みが。さっぱりとおひたしや和え物にしても良い。カロテンが豊富で、肌の健康や風邪予防にいいそう。

(かぶ)……春の七草のひとつ、すずなは蕪の古名だそう。やわらかみのある春と甘みの増す秋から冬が旬。葉にはカロテンやカルシウム、鉄分などが豊富。鍋はもちろん、蕪の炊いたんも、漬物も、すりおろした蕪で白身魚や海老を包むかぶら蒸しも美味。

(きじ)……雉のオスは、メスを求めて「ケーン」と甲高い声で鳴いては、美しい羽を「ホロロ」と打ち鳴らす。実際には、日本でその高鳴きが盛んになるのは3月から4月ごろといわれている。足の裏には振動を敏感に察知する感覚細胞があるため、地震を予知して鋭く鳴くことが注目されてきた。

・花びら餅……茶道、裏千家の年始の茶事「初釜」では、花びら餅をいただく。やわらかなぎゅうひや餅の皮に、優しい甘さの白味噌(」みそ)あんと甘くやわらかく煮たごぼうを挟んだ花びら餅は、お正月の時期だけ作られる期間限定の和菓子。ごぼうは少し意外な取り合わせだが、白味噌と餅と一緒に食べると納得の一品。調和のとれた味わいになっている。

◇季節のことば [茶道手帳 令和6年版]

大福(おおぶく)   福寿(ふくじゅ)   獅子舞(ししまい)   布袋(ほてい)   恵比寿(えびす)   福笑(ふくわら)い   丹頂(たんちょう)   (はる)(こま)   東雲(しののめ)   福引(ふくびき)

◇季節を感じてみよう

・どんど焼き……松飾りをつけておく期間のことを松の内という。関東では1月7日まで、関西では15日までのところが多いよう。この日を過ぎると、松飾りや門松は外される。役目を終えた正月飾りは、翌日8日(10日や15日の地方も)のどんど焼きで燃やして、年神さまを天へ送るならわしだ。書き初めも一緒に燃やして、燃えかすが空高く舞うと字が上達するとか。燃やす時に「どんどや」と声を発することが由来だという。木の枝に付けた餅((もち)(はな))をこの火で焼いて食べ、健康を願う風習もあった。

十日(とうか)(えびす)……西日本で商売繁盛を祝う祭礼として「商売繁盛で笹持ってこい」という景気のいい口上でお馴染み。1月9日~11日に関西各地で開催される。えびす宮総本社の西宮神社では、10日早朝の「福男選び」も恒例だ。

・寒仕込み……味噌(みそ)やしょうゆ、酒などは、真冬に仕込むもの。中でも家庭で作りやすいのが「手前味噌」だ。(こうじ)と粗塩をほぐしながら混ぜたところに、ゆでてつぶした大豆を混ぜ込み、寸胴(ずんどう)かめに詰める。涼しい場所で寝かせ、その年の晩秋から食べられる。

(かん)(べに)……寒の間に製造される寒紅は質が良いと人気があった。特に寒に入って最初の丑の日に、紅を買い求めことを「寒の(うし)(べに)」と呼び、良縁が得られると人気があったそう。紅花(べにばな)末摘(すえつむ)(はな))から赤い色素を取り出して作る紅は、たくさんの量の紅花からでもわずかしかできないので、江戸時代「紅一(べにいち)(もんめ)金一匁」といわれるほど効果だったとか。多くの女性にとって、心ときめく憧れの品だったようだ。

・成人の日……「大人になったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝いはげます」とされている。成人になることには、新たな権利や責任も伴う。その喜びや重みを、成人を迎える若者と周りで支える方々とでかみしめる大切な日。

実は20歳を大人として祝う現在のような成人式は、第二次世界大戦後の1946年から始まった新しい行事。そもそもは「元服(げんぷく)」という、子どもから大人になるための大切な通過儀礼として大きな節目となる格式ある儀式に由来している(女性は「裳着(もぎ)」に由来)。成人式は、新成人となった誇りを持って、大人としての第一歩を踏み出したいもの。

成人式は、地方自治体が成人を迎える若者の門出を祝うイベントの名称。令和4年(2022年)の民法改正により、成人年齢は18歳に引き下げられ、多くの自治体では20歳でのイベントとして続けているが、イベント名を「成人式」から変更するケースも増えている。振袖は和装で、未婚女性が身につける、最も格式の高い第一礼装とされ、一生に一度の大切な節目に、ふさわしい衣装とされてきた。振袖には「袖を振る」ことで厄をはらう力があったともいわれている。男性の第一礼装は紋付袴であるがが、現在はスーツなどで参列する若者も増え、個人に委ねられている。

[参考:スタジオアリス]

・鏡開き……1月11日。年神さまに供えたお下がりとして、(刃物は使わず)木槌や手で鏡餅を割っていただく。「鏡」は円満を、「開く」は末広がりを意味する。餅を食べると力持ちになるからと、もともとは武家の風習だったこともあり、切腹を意味するので刃物で切ることは縁起が良くないとされた。何日も飾った餅は固くてなかなか割れないが、鏡餅を食すことを「歯固め」といい、歯を丈夫にして長寿を願った。煮て食べるのが良いとされていた。

・小正月……1月1日を大正月、15日を小正月といい、旧暦ではちょうど満月を迎える。新年最初の満月の日に、正月を祝っていたのだ。なので、本来はこの日までが松の内。小正月には小豆(あずき)(がゆ)を食べるならわしがあるが、小豆粥はお米と小豆を焚き込んだ、晴れの日の食べ物。平安時代の宮中では、小正月に米、小豆、(あわ)(きび)(ひえ)、ムツオレグサの七草粥を食べたそう。大正月は男性が行事の中心になっていたので「(おとこ)正月(しょうがつ)」と呼び、小正月は正月中も忙しく働いた女性たちがやっとひと息つけるころだから「(おんな)正月(しょうがつ)」とも呼ばれていた。

二十(はつか)正月(しょうがつ)……小正月に飾った餅花や繭玉(まゆだま)を下ろすことから「団子下ろし」「繭玉かき」ともいわれる。関西では、身はすでに食べてしまって年取り魚の(ぶり)の骨や頭を、この日、お雑煮や煮物にして食べることから「骨正月」「(かしら)正月(しょうがつ)」ともいうそう。お正月行事の納めの日になる。

[参考:旬のカレンダー/日本の七十二候を楽しむ/

絵で楽しむ日本人として知っておきたい二十四節気と七十二候/日本のしきたり和のこころ]

★ 児童厚生員 はがてぃ のおすすめあそび♪【季節感のないものもあるよ】★

◆おすすめのあそび

◇凧あげ

お正月のイメージがある「凧あげ」だが、適度な風と走り回れる場所(河川敷や大きな公園など)があれば、いつでも楽しめる気軽な遊び。自分の力であげた凧が大空を舞う姿に、子どもの心は達成感でいっぱいになる。飛ばそうとたくさん走るだけでなく、失敗を繰り返しながら何度もチャレンジすることは、凧あげの最大の魅力。凧には豊富な種類がありますので、お気に入りを見つけて、まずは親子でトライしてみよう。

☆凧あげが教えてくれること

<遊び心を養う>

自分の力で凧がフワッとあがることにワクワク、上手に空を泳げるよう操縦していることにドキドキする。この時に味わう達成感は、次はもっと高く長くというチャレンジ精神を育む。また風の力を借りて遊ぶため、自然を味方につける楽しさを気付かせてくれる。

<体力をつける>

凧をあげるために自然に走るので、かなりの運動量が期待できる。また寒い時期に遊ぶことが多く、その中を繰り返して走ることで体力アップが図れる。

<運動神経を養う>

風の向きや強さに合わせて走る方向やスピードを調節したり、凧を持っている人との呼吸を図ったり、空を見上げながら走るなど、多様な動き方ができるようになる。

<創造力を養う>

手作り凧に挑戦するために、身近な素材(紙、ビニールなど)を使ってよく飛ぶ凧を考えたり、いろいろな形や大きさの凧を工夫したり、絵を描いてオリジナリティを出すなど、クリエイティブな思考が生まれる。

<社会性を養う>

うまく凧をあげるために友だちと協力したり、凧あげ競争をするためのルールを作ったり、達成感をわかち合ったりすることで、複数での遊び方を身に付けられる。また上空の電線を気にかけることは、社会のルールを学ぶことにつながる。

<凧あげの遊び方・遊ばせ方>

・風を感じて、どちらから吹いているか(風上)を知る

・凧を持つ係と凧糸を引く係の両方を体験する

・凧があがった達成感を味わう

・凧糸を引く感覚を覚える

・高く長くあげることを楽しむ

【ポイント】
上空に障害物(電線など)がないこと、凧あげ禁止の場所でないことを必ず確認しよう。

<凧あげを盛り上げる>

・みんなで持ち寄って、いろんな素材や形の凧にチャレンジする

・ルールを決めて、凧あげ競争をする

・凧糸を上手に操る体験を積む

・風と凧の関係を知る

【ポイント】
凧の種類によっては、予想以上に飛ぶことがありますので、上空以外の障害物にも気をつけよう。

<自分だけの凧をつくる>

・凧に使えそうな身近な材料を集める

・素材や形を工夫する

・絵を描くなど、オリジナリティを出す

・どんな凧がよく飛ぶか、試行錯誤を繰り返す

【ポイント】
事前に凧作りの知識を調べておこう。

※ 注意:子どもは想定外の遊び方をするので、保護者同伴で目のとどく範囲で遊ぼう。

[参考:OYAMANA]

◆おすすめボードゲーム(カードゲーム)

◇すごろく

順番やルールを守り、プレイヤーとコミュニケーションを楽しみながら社会性が育まれる遊び種類によって内容が異なるので、遊び方も色々。

<使うもの>

・すごろくシート
・コマ
・サイコロ
<遊び方>

1、自分のコマを選ぶ
2、じゃんけんをして、順番を決める。
3、サイコロを振って出た目の数だけコマを進め、止まったマスに書かれている指示に従う。
4、1で決めた順番にサイコロを振ってコマを進めていき、最初にゴールした人の勝ち。
<ポイント!>

・年齡によってルールの理解が難しい場合は、異年齢で2人組などを作ってプレイしてみよう。
・遊び方がわかって関心も高まってきたら、自分たちですごろくを作ろう! より遊びが広がり楽しる。

【作り方】~アイデア光る手作りおもちゃ~

・画用紙とペンでできる、自分の想像や考えを膨らませて作る手作りおもちゃ。
・色んなアイデアがつまっている分、できた後の遊びもじっくり楽しめる♪
・友だちと作ったり、違う内容のものを作ったりと、発展もいろいろ!

[参考:HoicLue]

◆おすすめのぬりえ

「大人のぬりえ」……「小寒」

ぬり絵を通して日本の四季を深く知る事ができる。心と身体のバランスを整える効果もあり。

 [自律神経を整えるぬり絵 日本の二十四節気をぬる]

[はがてぃの作品を紹介!] ~色鉛筆~