大 雪:令和5(2023)年 12月7日
雪いよいよ降り重ねる折からなればなり [暦便覧]
◇大雪の気候は?
朝夕には池や川に氷を見るようになり、この頃から、大地の霜柱ができるようになる。北風が吹き、平地でも雪が降って、本格的な冬の到来を感じさせる。寒い地方では根雪になる雪が降り始める。山々は雪の衣を纏って冬の姿となり、動物たちが冬ごもりをする頃。
◇大雪の動植物・自然現象などは?
・椿(薮椿)……万葉集の時代から数々の歌に詠まれ、近世には茶人に好んで用いられた椿。鑑賞するだけでなく、椿油は整髪料や高級食用油、明かりの油として役立ってきた。また椿の木は印材や工芸品の材料などに使われ、品質の高い木炭としても重宝されたそう。花一輪ごとぽたっと落ちるさまは落椿と呼ばれ、散り際まで印象的だ。
・雪吊り……積雪の多い地方では、11月から12月中旬に、積もった雪の重みで枝が折れないように、雪吊りをして、木を守る。幹に沿って木より高く支柱を立て、その天辺から八方に縄や針金を渡して1本1本の枝と結ぶ。さながら傘を少し開いたような趣で、兼六園の雪吊りは、大仕事ながら冬の風物詩となっている。
・冬日・真冬日……冬日とは一日の最低気温が0度未満の日のことで、真冬日とは、最高気温が0度未満の日のことをいう。
・千両……正月準備を始める「正月事始め」を過ぎる頃、正月飾りの縁起のいい枝物として生花店に並び始める。葉の上に実がまとまってつくのが千両、葉の下に実がぶら下がるようにつくのが万両だ。
・熊の冬眠……熊が冬眠のために穴に入るころ。ふゆごもりの間は何も食べないため、秋には大量に木の実や果実、動物の肉などを摂取する。里山が失われつつある近年、食料不足で熊による被害も深刻化している。
◇大雪の食べ物は?
・大根……大根にはアミラーゼという消化酵素が含まれ、胃腸の働きを整える。また、葉はカロテンやビタミンなどを含み、栄養満点なので葉つきがあったら即買いがおすすめ。晩秋から初冬が旬。江戸っ子の味は白首大根といわれ、ピリッと辛みがある。甘みが強く栽培しやすいことから広がっているのは青首大根。古事記などに登場する「おほね」が大根と漢字をあてられたのが語源と言われている。
・ねぎ……ねぎは奈良時代に中国から伝わり、古くから体にいいとされてきた。ツンとする香りは硫化アリルによるもので疲労回復効果があり、かぜの予防や殺菌なども。関東では白い部分を食べる根深ねぎを、関西では青い部分を食べる九条ねぎを好む傾向がある。旬は11月から1月。
・牡蠣(真牡蠣)……牡蠣は海のミルクと呼ばれ、亜鉛も多く栄養満点だ。味覚障害改善に用いられることもあり、精力剤としても効果が期待できる。食生活が偏りがちでストレスが多い現代人にはもってこいの食材といえる。旬は、11月から3月。11月ごろ身が詰まり、12月ごろ香りがよくなり、とりわけおいしいのは3月とも。生牡蠣も、牡蠣の土手鍋も美味。選ぶときは、貝柱が大きくふっくらしてものを選ぶとよい。
・鮭……川の上流で生まれた鮭の稚魚は、海へと下り、数年かけて成長した後に元の川へ戻ってくる。旬は、鮭が川をめざしてくる秋。そのため秋鮭とも呼ばれる。時折、産卵期の成魚に混じってまだ未成熟の鮭がとれるようだが、それは鮭児といってめったにとれない高級魚だ。
・ぶり……大きさに応じて名前が変わる出世魚。寒ぶりといわれるように、寒い季節ほど脂がのっておいしいぶり。旬は12月から2月。古くから伝統行事などに用いられてきた魚。
◇季節のことば [茶道手帳 令和5年版]
歳暮 年忘れ 冬木立 巣籠 網代木 囲炉裏 如矢 煤払 猩々木
◇季節を感じてみよう
・針供養……(12/8)縫い物が上手になりますようにと祈りながら、折れた針を供養する。古い針はいつも固いものを刺しているから、今日だけは柔らかい物を、とこんにゃくや豆腐に刺して近くの神社に収める。地方によっては2月8日にするところもあるようだ。
・大根だきの日……(12/9)京都・了徳寺の大根だきの日
・正月事始め……(12/13)最初はすす払いから行い、一年の汚れを落とし、穢れを清める大掃除で、新年を迎える支度をした。松飾り用の松の枝を山へ取りに行く、松迎えがあり、新年の干支にあたる年男が、新年の恵方(縁起のいい方角)にある山からとってくるのがならわし。元旦に飾られる門松は、正月の神さまで年神さまを迎えるためのたいせつなしるしだ。
・世田谷ボロ市……440年以上の昔から続くボロ市が、東京の世田谷で毎年12月15日~16日と1月15日~16日に開かれる。古着屋や古道具、農産物などを持ち寄ったことから、ボロ市という名がついたとか。いまでは出店が700店もの大規模に。ボロ市名物は代官餅。その場で蒸して搗いた餅をいただく。味はあんこ、きなこ、からみの3種となっている。
・歌舞伎鑑賞……歌舞伎界の重要な年中行事「顔見世」が毎年12月に京都府の南座で行われる。顔見世とは、東西の役者が顔をそろえる歌舞伎の祭典。出演する役者の名前がかかれた「まねき」と呼ばれる看板が劇場の正面に並ぶのが師走の風物詩だ。東京では11月に、愛知では10月に公演が行われる。
・羽子板市……東京は浅草の浅草寺で、12月17日から19日まで、縁起物の羽子板市が立つ。暮れの大にぎわいで、境内にずらっと出店が並び、見物客でにぎわう。江戸の昔は暮れの市だったそう。毎月18日は観音さまのご縁日で、とくに12月の納めの観音は一年の締めくくりだ。
[参考:旬のカレンダー/日本の七十二候を楽しむ/二十四節気に合わせ心と体を整える/
絵で楽しむ日本人として知っておきたい二十四節気と七十二候]
★ 児童厚生員 はがてぃ のおすすめあそび♪【季節感のないものもあるよ】★
◆おすすめ工作
◇松ぼっくりツリー
〈準備する物〉
・松ぼっくり
・絵の具・スプレーなど
・スパンコール
・ビーズなど
・木の実
・フェルト
・リボン
・キラキラ折り紙
・綿
・グリーンモス(苔)
・台座(木片・コルク・ペットボトルキャップ)
・麻ひも(台座に巻く)
・ボンド
・グルーガン
・ラメ入りのり
※ 自由にいろいろアレンジしてみよう♪
〈作り方〉
・絵の具やスプレー、ラメ入りのりなどで色付け。
・綿やグリーンモス(苔)を周りにまとわせてもよい。
・松ぼっくりの先だけ色付けしても良い。
※ サランラップの芯に松ぼっくりをつけて、少し大きめのツリーを作っても◎
※ 逆さまにして、リボンなどで装飾し麻ひもで吊るしても良い。
◆おすすめのあそび
◇羽根つき……主に女の子の遊びであった羽子板遊びの「羽根つき」
- 羽根つきの遊び方
① 追い羽根:羽子板を持った二人が向かい合い、互いに羽根をつきあう。
羽根を落とすと顔に墨を塗られる罰が与えられることもある。
② 揚げ羽根:一人で落とさずに何度つけるか競う
- 羽子板の羽根
むくろじ(無患子)という植物の種に鳥の羽を数枚差し込んだもので、「羽子」(トンボの別名)とも呼ぶ。
江戸時代に編纂された『節用集』などには、羽根(羽子)はトンボを模したもので、落ちるときにとんぼ返りのようになるから、トンボの餌になる蚊や虫が恐れて近寄ってこないと書かれている。羽子板遊びは、幼い子どもを害虫から守るまじないだったのだ。また、カンカンと音をたてて羽根を打つことで、邪気を祓う意味もあったとされる。 (小学館の『日本大百科全書』)
- 縁起の良いあそび
むくろじは漢字で無患子と書くことから、子が患わ無いという願いが込められ、羽子板は厄をはね返す、はねのけるという事から縁起物として扱われていたと言われている。
- 羽子板がスポーツに
現在、羽子板は正月に遊ぶだけでなく、スポーツとして行われるようになった。バドミントンのようにネットを挟み、羽子板で打ち合う。中には60年以上も続いている地域もあり、伝統的な競技として行われている。ルールは自陣で3回突く間に相手コートへ打ち返さなければならない。7点先取した方が勝ち。バレー要素もありながら、バドミントン要素もあるスポーツ。
[参考:スポスル/LIFULL]
◆おすすめのぬりえ
「大人のぬりえ」……大雪
ぬり絵を通して日本の四季を深く知る事ができる。心と身体のバランスを整える効果もあり。
[自律神経を整えるぬり絵 日本の二十四節気をぬる]
[はがてぃの作品を紹介!] ~色鉛筆~