白 露:令和5(2023)年 9月8日
陰気ようやく重なりて露こごりて白色となれば也 [暦便覧]
◇白露の気候は?
残暑も感じられる中、朝夕の涼しさがくっきりと際立ち、次第に秋の気配が濃くなる時期。大気が冷え野山の草につゆが宿って白く見える頃。
◇白露の動植物・自然現象などは?
・オシロイバナ……紅や薄紅、白絞りなど、さまざまな花を咲かせるオシロイバナ。種の中に白い粉のような胚乳があり、子どもが指ですくってお化粧ごっこをしたことから、白粉の花という名前に。夕暮れに咲き、翌朝にはしぼんでしまうことから、別名を夕化粧ともいう。
・鶏頭……ニワトリのトサカに似た赤い花をつけることからその名がついた鶏頭は、英語でもcockscomb(雄鶏のトサカ)と呼ばれる。黄色やオレンジ、くすんだピンクなど、秋色で花壇や寄せ植えを華やかに彩る。ベルベットのような質感で切り花として花持ちがよいのも特徴。茎が腐りやすいので、花瓶の水は少なめにし、水は毎日変えよう。
・赤とんぼ……空を眺めると、夏から秋へと移り変わっていくのを感じる。その空に、ついっと現れるのが、赤とんぼ。羽をすばやくふるわせ、飛んでいく。あきあかねや、なつあかね、のしめとんぼなどが赤とんぼと呼ばれるとんぼたち。古くはとんぼを、あきつ(秋の虫という意味)と呼んでいたそう。そして、日本の国の名前も昔、秋津洲といった。生き生きとした国に、野山をとんぼが舞い飛ぶ、そんな情景が目に浮かぶ。とんぼは前にしか進まず引くことを知らないというので「勝ち虫」として好まれた。
・鶺鴒……チチィ、チチィと鳴く、雀よりやや大きく、細めの体と長い尾が特徴だ。その長い尾を上下に振りながらちょこちょこ歩く様子から「石たたき」という異名も。『日本書紀』によると、日本の国を創ったイザナギとイザナミが愛を交わす際に倣ったのが、鶺鴒の尾の動きであったとか。そこから「恋教え鳥」「恋知り鳥」ともいわれ、江戸時代も婚礼の時に鶺鴒台という飾りが置かれた。あきる野市や盛岡市、喜多方市など、多くの自治体指定の鳥にもなっている。
・御山洗い……登山を楽しむ人たちでにぎわった後、富士山の閉山日にあたる旧暦7月26日ごろに降る雨は、富士山を洗い清める御山洗いの雨、と山麓の人の間で言い伝えられてきた。
◇秋の七草……春の七草のように粥として食べるのではなく、萩・尾花(すすき)・葛・撫子・女郎花・藤袴・桔梗と、秋が深まりながら花開いていくのを愛でる草花だ。(尾花は「すすき」の別名。すすきの穂が動物の尾に似ていることが、名前の由来と言われている。)万葉集で山上憶良が秋の七草を歌っている。たとえば、萩は、万葉集でもっとも歌われる花。秋の字が用いられるほど、秋の花としてなじみの深いものだ。逆に、藤袴や桔梗は、自生できる野山が少なくなり、雑滅の危惧に瀕しているとか。種を絶やさぬように、人の手で育て守ろうとする動きもある。
秋の七草の覚え方として、①「5・7・5・7」のリズム、②語呂合わせ、の2種類がある。
①「はぎ・ききょう/くず・ふじばかま/おみえなし/おばな・なでしこ/あきのななくさ」
②語呂合わせとして「おすきなふくは」は、それぞれの七草の頭文字をあてている。
「お」は「おみえなし」、「す」は「すすき」、「き」は「ききょう」、「な」は「なでしこ」、「ふ」は「ふじばかま」、「く」は「くず」、「は」は「はぎ」のこと。
◇白露の食べ物は?
・梨:みずみずしく、シャリッとした歯ごたえが快い梨。旬は8月から10月。弥生時代の遺跡から、梨の種が見つかり、このころから食べていたという説も。「梨尻柿頭」ともいわれ、梨は枝側よりお尻側のほうが、柿は頭のほうが甘みがある。クエン酸やアスパラギン酸などを豊富に含み、疲労回復によく、腸を刺激して便秘解消にも効果的な果物だ。
・冬瓜……名前の由来は「冬まで長持ち」することから。旬は8月から10月で、淡白な味でくせがなく果肉がやわらかいのが特徴。スープや葛でとろみをつけたシチューなど、煮込み料理にして食べると味がしみておいしくいただける。豊富に含まれるカリウムはむくみの解消や高血圧に効果があり、腎臓の働きを助けるうれしい野菜だ。
・昆布……奈良時代の文献にすでに登場する昆布。だがそれも、昆布の活躍を想えばごく自然な気がする。昆布の旨味成分グルタミン酸は水に溶けやすいので、だしをとるときは、固くしぼったぬれぶきんで表面の汚れを吹く程度に。水から煮出して、沸騰する直前に取り出す。夏から秋にかけて収穫し、乾燥後に出荷する。
・鮑……貝のご馳走食材、あわび。伊勢神宮の神事では、薄くそいだ鮑を乾燥させて熨したものが奉納される。この熨斗鮑が次第に図案化され、熨斗紙として進物に付けられるようになった。旬は8月から10月。日本で食べているのはクロアワビ、エゾアワビ、メガイアワビ、マダカアワビ。鮑は巻貝の仲間で、二枚あるはずの貝殻が片方ないから、合わぬ身、転じて「あわび」という名になったとか。刺身にするのは簡単で、ステーキナイフなどで身を取り出したら、薄く切るだけ。肝は茹でて添え、しょうゆに溶いても、そのまま食べても美味。
・たちうお……おもに和歌山県や愛媛県、大分県、長野県でとれ、一年を通して美味だが、とりわけおいしさが増すのが夏から秋にかけてだ。ポピュラーなのは塩焼きだが、ムニエル、煮つけなど、どんな調理法でも外れがないのが強み。皮にうまみが凝縮されているので、お刺身は銀色の皮つきで。
[参考:絵で楽しむ日本人として知っておきたい二十四節気と七十二候]
[参考:旬のカレンダー 旬の暮らしをたのしむ会]
◇季節のことば [茶道手帳 令和5年版]
金風 月の雫 待宵 笛の音 虫しぐれ 柴の戸 玉兎 萩の露 燕帰る
◇季節を感じてみよう
・2学期開始……学生は、1年で1番長い長期休暇が明けて2学期が始まる次期、社会人でもお盆休み明けには、なんとなく仕事へ行くのがおっくうに感じることもあるだろう。学生の夏休みは長いので、その気持ちはもっと強いかもしれない。そんな学生に朗報なチェックリストができたようだ。また、学校以外にも児童館や青少年の居場所、図書館やフリースクール、塾やこども食堂など、探そうとすれば自分に合った居場所が見つかるかもしれない。
☆「学校休んだほうがいいよチェックリスト」とは?
子どもが「学校休みたい」「学校行きたくない」と言っているけど、休ませていいのかな?と心配になっている保護者の方に向けたチェックリスト。迷ったときにアクセスすれば、ヒントになるのではないだろうか。
[参考:branchkids.jp]
・防災の日……9月1日は関東大震災が発生した日であるとともに、暦の上では二百十日に当たり、台風シーズンを迎える時期。災害は、いつ起きるかわからない。避難場所や家族との連絡方法の確認、食料や日用品の備蓄など、日頃から準備しておこう。
・重陽の節句……旧暦9月9日は、菊の節句で、長寿を祈る日。古来、中国では陽数(奇数)を縁起がよいとしたが、その陽数が重なると逆に陰に転じるとも考えられ、邪気を祓い神様を迎える行事が必要とされた。それが、次第にお祝いのかたちになり、陽数の最大である9が重なる日を重陽と呼び、特にめでたい日として祝ってきた。この習わしが日本に伝わり、ちょうど花盛りだった菊花の宴が催された。菊はまたの名を「翁草」「齢草」ともいい、不老長寿の霊力を持つと考えられてきた。菊花酒のほか、前日に菊の花に綿を被せて戸外に出しておき、香りと露を移し、重陽の日にその綿で顔や体を拭う「菊の被せ綿」も行なわれていたという。菊の霊力が邪気を祓い、清められて若さが保たれ、長寿になるとされていた。その後、秋の収穫祭のお祭りとして、栗ごはんなどで祝う秋祭りにもなったといわれている。
・救急の日……厚生労働省と総務省消防庁は、救急業務及び救急医療に対する国民の正しい理解と認識を深め、救急医療関係者の意識の高揚を図ることを目的に、毎年9月9日を「救急の日」、救急の日を含む1週間(日曜日から土曜日)を「救急医療週間」と定めている。
一人でも多くの人の命を救うために、救急車は生命の危機が迫っている時にのみ要請しよう!
病院へ行くか救急車を呼ぶか、迷ったら、東京版救急受診ガイド(ウェブ版:東京消防庁ホームページ)を利用し確認することができる。緊急性のない通院や入退院、病院から他の病院への転院などの際に交通手段が必要な時は、民間救急コールセンターへ問合せてもよい。さらに、いざという時に備えてAEDの位置を確認しておき、応急手当の知識・技術を身に付けておくと役立つかもしれない。
[参考:東京消防庁]
・筥崎八幡宮の放生会大祭……博多、箱崎八幡宮で千年以上の歴史を持つ祭。もとは殺生を戒める仏教の儀式だったが、合戦の続く戦乱の時代に、いのちをいつくしみ、秋の実りに感謝を、とはじまったそう。きれいなガラスのおもちゃ(びーどろ細工)、博多ちゃんぽんが名物。細いガラス管をぷうっと吹き、パぺパぺと音を鳴らして遊ぶ。毎年9月12日から18日。
・空の日……9月20日は、空の日。1911年(明治44年)のこの日、国産の飛行船が東京上空一周飛行に成功した。開発したのは、山田猪三郎という日本航空界のパイオニア。山田式飛行船が初めて自由飛行したのは、前年の1910年。ライト兄弟の初フライトからわずか7年後のことだった。
・敬老の日(9月第3月曜日)……「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う日」
聖徳太子がお年寄りや病人のために「悲田院」を建てた日ともいわれている。
江戸の下町の言い伝えには「還暦を過ぎたら、畳の上で死のうと思うな。息絶え絶えになっても、若いものを笑わせ、励まし往け」というものがあったとか。技術の進歩が急激で、多くの情報が瞬時に得られる現代だが、身をもって得た人生の知恵は、やはり貴重である。お年寄りの知恵が伝授され、活かされることを願っている。
敬老の祝いは、年寄り扱いをされることをためらう年配者も増えているので、配慮か必要だ。ご本人が喜ぶスタイルで準備しよう。
◇長寿の祝い……賀寿や年祝いと呼ばれる長寿を祝福し、周りの人たちもその長寿にあやかる儀礼だ。これまでの長寿に敬意を表して、これからの健康とますますの長生きを祈るもの。年齢を重ねるほど個人差が大きくなるので、ご本人の考え方や体調を考慮してお祝いしたい。当日の記念写真や寄せ書きなどは、後から何度も眺めることができるので喜ばれるのではないだろうか。
*還暦ー数え年61歳(満60歳)。10干と12支の組合せである干支は60年で一巡する。暦が元に戻り、生まれた干支に戻ることから「暦が還る」で還暦。赤い頭巾やちゃんちゃんこを贈るが、これは「赤ちゃんのように、もう一度新しい生命力を得て元気に過ごしてほしい」という願いが込められている。また、赤には古来、魔除けの力があるとされてきたので、男性の厄年でもあるので、厄除けにふさわしいとも考えられていたようだ。
*古希ー70歳。中国の詩人杜甫の一節「人生70古希稀なり」に由来する。
*喜寿ー77歳。「喜」の字を草書体で書くと七十七に見えるため。
*傘寿ー80歳。「傘」の字の略語が「仐」で、八十に見えることから。
*米寿ー88歳。「米」の字が「八」と「十」と「八」からできていることから。
*卒寿ー90歳。「卒」の字の略語が「卆」で九十に見えることから。
*白寿ー99歳。「百」から「一」を引くと白、そして九十九になるので。
*上寿ー100歳。60歳を下寿、80歳を中寿、百歳を上寿としたことから。百寿や「百賀の祝い」とも。百歳以上は毎年お祝いする。
*茶寿ー108歳。「茶」の字を分解すると草冠の十が二つと八十八で百八に。
*皇寿ー111歳。「皇」の字を分けると「白」(九十九)と「王」(十二)になるので。
*大寒暦ー121歳。2回目の還暦を迎えることから。
[参考:日本の七十二候を楽しむ ―旧暦のある暮らし―]
[参考:日本のしきたり和のこころ ―歳時記に込められた知恵とたしなみ―]
★ 児童厚生員 はがてぃ のおすすめあそび♪【季節感のないものもあるよ】★
◆おすすめのあそび
◇「シャボン玉」
◎シャボン玉アーティスト杉山兄弟秘伝!(世界で初めてシャボン玉でパフォーマンスを行った兄弟)
【シャボン玉液の材料】
・精製水(水道水は一度沸騰させる)…1Ⅼ
・粉末ゼラチン………………………………5g
・液体石鹸(食器用洗剤)………………300ml
・ガムシロップ……………………………10ml
(炭酸水………………………………………30ml)
(ラム酒………………………………………10ml)
【作り方】
①鍋に精製水をいれて火にかけ、60℃まで加熱する。(水道水は一度、沸騰させて60℃まで冷ます)
②粉ゼラチン5gを入れて20分かき混ぜる。(沸騰させない。とろみをもたせる。)
③液体石鹸(食器用洗剤)を300mlほど入れる。
④ガムシロップを10ml入れる
(割れにくく、より大きなシャボン玉が作れるようになるポイント!)
⑤炭酸水を30mlほど入れる。(よく混ざりやすい)
⑥ラム酒を10ml入れると綺麗な発色が出る。(シャボン玉液を美しく見える)
⑦全部混ぜ合わせたらあとは鍋の火を切って1時間ゆっくり冷ます。
※ 杉山兄弟:巨大シャボン玉のギネス記録保持者。
1996年に直径20mのギネス記録として登録されている。
◎オススメのアイテムと遊び方のコツ
・軍手……軍手を着用することで軍手の表面の細かな繊維がシャボン玉に触れて力が分散され、シャボン玉に触れても割れない。シャボン玉を手のひらにのせたり、ポンポン弾ませて遊んだりできるので、子どもも夢中になる。
・針金ハンガー……巨大なシャボン玉を作りたいときは、針金ハンガーがオススメ。まずは、針金ハンガーを引っ張って変形させ、丸い形を作る。柄の部分を持ち手にし、口の広い容器でハンガーにシャボン玉液をつけてゆっくり持ち上げると、巨大なシャボン玉ができる。
すぐに割れてしまうときは、針金ハンガーに毛糸を巻き付けると、シャボン玉液をよく吸って大きなシャボン玉が作りやすくなる。
・うちわの骨組み……うちわの骨組みを使うと、一度に多くのシャボン玉ができる。まずは、うちわの骨組みが入る大きめの容器にシャボン玉液を入れる。うちわの骨組みをシャボン玉液につけてから、空中でパタパタと振ると、さまざまなサイズのシャボン玉ができ上がるよ。
うちわの骨組みをシャボン玉液につけるだけなので、小さな子どもにもぴったり。使わなくなったうちわが自宅にあれば、捨てる前に活用してみよう。うちわの紙がはがれにくい場合は、水かお湯につけ、ふやかしてからはがすとよい。
・紐と棒……2本の棒の間に輪っかにした紐をぶら下げて作る。大きさは自在に調節可能でかさばらないからお出かけにもよい。輪っかをいくつか作れば、小さなシャボン玉が同時に沢山作れる。
液の配合量を変えてみて、どうしたらシャボン玉がより割れにくくなるか実験するのもよい。楽しみながら実験することで自然や科学への興味も持ちやすくなり、自由研究にもぴったりだ。
☆安全に楽しむために…
無添加や無香料でも素材は洗剤なので、口には入らないように注意しよう。目や口に入った場合は、水ですすいで洗い流そう。安全に気を付けて楽しくシャボン玉遊びをしましょう。
[参考:boukenka.info]
[参考:こそだてまっぷ]
[参考:キナリノ]
◆おすすめボードゲーム(カードゲーム)
◇「ほめるが勝ち」……3~8人。対象年齢 10歳以上。プレイ時間約 15~20 分。
相手をほめるだけでみんな笑顔になれるゲーム!
〈遊び方〉
①カードを山札にして場の中央に伏せて置く。
②じゃんけんなどで親プレイヤーを決める。
③親プレイヤーは山札からカードを1枚めくり、場にオープンにする。
④オープンされたカードのお題に沿って、子プレイヤーが親をほめる。※ほめるスピードは特に関係ない。
⑤親プレイヤーは、ほめられて最も嬉しかったプレイヤーへカードを渡す。
⑥親プレイヤーが時計回りに移動して③〜⑤を繰り返す。
⑦山札のカードが全てなくなった時点(※2週、3週などあらかじめターン数を決めておいてもOK)で、カードの獲得枚数が最も多いプレイヤーの勝ち。
☆注意事項、ポイント☆
・同級生、同僚、仲の良い友人同士でプレイするのがオススメ!
・初対面でプレイする際は、初めに自己紹介などをした上でプレイすると良い♫
[参考:ボドゲーマー]
◆おすすめのぬりえ
「大人のぬりえ」……「9月 菊百花」
精神科医が監修 ぬり絵に集中して頭も心もリラックス 四季折々の美しい花々、日本の懐かしい風景に癒される!前向きになれるアドバイス付き! ・心を軽くする One Point ‶やると決めたら、思い切りよく″
[心が落ち着く 癒しのぬり絵 日本の風景と花々]
[はがてぃの作品を紹介!] ~色鉛筆~