雨 水:令和5(2023)年 2月19日
陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となれば也 [暦便覧]
◇雨水の気候は?
降る雪が雨へと変わり氷が解け出す頃。雪も解け出し田畑を潤すので、昔から、この季節は農耕の準備を始める目安とされていた。雪解け水が川に流れ始め、草木も芽吹く。本格的な春の訪れにはまだ遠く、大雪が降ったりもする。
◇雨水の食べ物は?
・春キャベツ……葉がやわらかく、みずみずしいのでサラダや浅漬けなどに最適。葉の巻きがゆるやかで、ふわっとしたものを選ぼう。
・きんかん……皮ごと食べられる柑橘類。色つやがよくて、表皮のきめが細かいものをチェックしてみよう。きんかんと砂糖(はちみつ)と水に好みのハーブ(シナモンやレモングラスなど)を加えて、自分好みのシロップ煮を作ってみよう。ワインやお湯で割るとオリジナルドリンクの完成。
・さより……北海道から九州にかけての沿岸近くにいる魚。旬は晩春から春で、上質な白身の味わいと青魚系のうまみを同時に堪能できるのが魅力。お刺身の他、脂がおいしい塩焼きもおすすめ。くちばしの赤いものが鮮度が良い。
[参考:旬のカレンダー 旬の暮らしをたのしむ会]
[参考:日本の七十二候を楽しむ ―旧暦のある暮らし―]
[参考:二十四節気に合わせ心と体を美しく整える ―医者にも薬にも頼らない和の暮らし―]
◇季節のことば [茶道手帳 令和5年版]
梅が香 初音 桃柳 流し雛 雪洞 馬酔木 若草 朝霞 白玉姫 つくし
◇季節を感じてみよう
茨城県水戸市の偕楽園では、梅まつり(2月中旬~3月中旬)が開催され、今年は第127回を迎える。
以前、訪れた時は自由に伸びた独特な形をした枝の古木に歴史を感じ、赤や白の梅花がかわいらしく、良い香りが園内に広がっていて、なんともいえない幸せな感覚になったことを覚えている。
園周辺の湖には渡り鳥も多く見られる。桜のお花見の前に梅のお花見はいかがですか?
◇雨水に飾ると良いものとは?
水は命の源。水の神様は子宝・安産の神様とされている。新緑が芽吹くように良い縁が芽吹く、ということで、この日に「雛人形」を飾ると「良縁に恵まれる」といわれていた。(所説あり)
◆「ひなまつりについて」
⑴「雛祭り」の由来は?
「雛祭り」は、上巳(桃)の節句の行事。旧暦の3月はじめの巳の日(3月3日)は、丁度、桃の花が咲くころで、日本に古代から伝わる禊祓(みそぎはらい)の行事や、「人形(ひとがた)」を流す風習とが混じり合い、やがて「ひいなあそび」が一緒になり、家に人形を飾って、女の子の健康と成長を祈り・祝うようになった。
※「五節句」は、歳首(元日)は別格「式日」として、 人日 (1月7日・七草)が取り入れられ、上巳(3月3日・桃)、端午(5月5日・菖蒲)、七夕(7月7日・笹竹)、重陽(9月9日・菊)と定めた。「奇数が重なる日」(奇数は陽の数)は、縁起の良い数字が重なることで逆に不吉な日とされ、邪気を祓う行事を行うようになったという。[参考:日本大百科全書(ニッポニカ)/祝祭日]
⑵ どんな飾りがあるの?
婚礼のしきたりに則り「左近に桜、右近に橘」が再現されている。(地域で異なることもある)
「7段飾り」
1段目:男雛と女雛
2段目:三人官女
3段目:五人囃子
4段目:随身(右大臣・左大臣)
5段目:仕丁(衛士)
6段目・7段目:嫁入り道具(箪笥や化粧箱)、輿入れ道具(御所車、駕籠)
[写真:箱根園 雛飾り]
⑶ つるし雛とは?
吊るし雛が始まったのは、江戸時代といわれている。
その頃、雛人形はとても高価で、一般家庭ではなかなか手に入らなかったので、子どもの幸せを願った家族などが、みんなで少しずつ小さな人形をつくり、持ち寄り「つるし雛」が作られた。
⑷ つるし雛の飾りは?(種類はとても多いが、12種類を紹介)
① さるぼぼ:厄除け、子宝、安産を願う。
② 桃:桃は古くから邪気や魔力を祓い、長寿をもたらすものとされていた。
③ 唐がらし:かわいい娘に悪い虫がつかないようにという、願いが込められている。
④ 座布団:座布団の周りをはって遊ぶ赤ちゃんが、早くお座りができますようにという願ったことから。
⑤ 這い子人形:「はいはい」をたくさんする赤ちゃんは、丈夫で元気に育つといわれていたので、健やかに育ちますようにという、親の気持ちが込められている。
⑥ おかたごろ:「おかた」は高貴な人を意味する。将来、良家へ嫁いでほしいという、親の願いから。
⑦ 三角:薬袋や香袋が三角だったところから、病気に無縁でありますようにとの願いが込められた。
⑧ うさぎ:優しい性格のうさぎですが、その赤い目には魔除けの効果があるとされていた。
⑨ 三番叟(さんばんそう):五穀豊穣を願って舞う、伝統芸能の装束をまとった人形。食べ物に困らないようにという、祈りが込められている。
⑩ 柿:滋養効果のある下記に健康を祈ったことから。
⑪ 惷駒:昔の遊び道具。楽しく遊び、元気に育ちますように願った。
⑫ 俵ねずみ:食べる物に困らないようにとの願いを込めて。
⑸ いつ片付けるの?
雛人形は、啓蟄が過ぎて虫が起き出す前(箱に虫がわかないように)、人形に湿気を残さないよう天気の良い湿度の低い日に片付けるのがよいとされ、さらに、片付けが上手にできるように願いを込めて、雛祭りが終わったらすぐに片付けるように言い伝えられた。
⑹ どんな行事食がある?
・ちらし寿司……縁起の良い具が祝いの席にふさわしい華やかな彩りが食卓に春を呼んでくれる。具材として、えび(長生き)、れんこん(見通す)、豆(まめに働く)などが入れられた。
・はなぐりのお吸い物……3月の磯遊びの季節、合わせ貝は、貝殻が対になっていて他にぴったり合う貝がないことから、相性の良い結婚相手と結ばれて、仲睦まじく過ごせるように「夫婦和合」の願いが込められている。
・白酒……童謡「うれしい ひなまつり」の歌詞に「少し白酒召されたか 赤いお顔の右大臣~♪」とあるように、古来から白酒は雛祭りに親しまれていた。口当たりがよく飲みやすいので女性に人気だった。
・甘酒……甘酒は「飲む点滴」とも言われ、美肌効果や便秘の予防・解消、血圧を下げる効果などが期待できる。見た目が白酒に似ていることから、子どもと一緒に味わうようになった。
・菱餅……ひし形で三段にかさなった三色の餅。
上段は、桃(桃の花の色)―「魔除け」解毒作用のくちなし。
中段は、白(雪の色)「清浄・純潔」―血圧を下げるひしの実。
下段は、緑(新芽の色)―「健康・生命力」強い香の厄除けとしてよもぎが使われていた。
・ひなあられ……女子が雛人形をもって野山や川辺へ出かけ、お雛様に春の景色を見せてあげる「雛の国見せ」に、春のご馳走と共に菱餅を砕いて作った「ひなあられ」を持参したことから、食べられるようになったといわれている。
★ 児童厚生員 はがてぃ のおすすめあそび♪ 【季節感のないものもあります】★
◇おすすめのあそび
「早口言葉」
早口言葉とは同じ音や同じ種類の音が連続した、しゃべりにくい言葉を間違えずに言う言葉遊びです。早口言葉独特の「音の響きや美しさ」「リズムの楽しさ」があります。なお、脳の活性化・表情筋が鍛えられる・唾液の分泌を促すため虫歯を予防できる・滑舌が良くなるなどの効用も期待できるのです。それでは、次の言葉を早く3回 唱えてみよう。
・新春シャンソンショーに出演の新人シャンソン歌手
・東京特許許可局局長今日急遽休暇許可却下
・この茶筒、マサチューセッツ州製茶筒
「けん玉」
子供から大人まで幅広い年代で楽しめる。昔から親しまれ、現代ではさまざまな難しい技を競うスポーツとしても注目されている。試合や練習前の10分間にけん玉をするトップアスリートもいるという。
⑴ 由来
けん玉の起源は所説あるが、今、最古の記録といわれているのは、16世紀のフランスで国王アンリ3世が好んで遊んでいたという「ビル・ボケ」で、これが世界各地に伝わり変化したと考えられている。
現在、私たちが見慣れているけん玉は、大正時代に日本で生まれたもので、当時は「日月ボール」と呼ばれ、急速に普及した。
⑵ けん玉の効果 ①足腰の強化(膝を使った運動) ②体幹を鍛え、腹筋を強化(姿勢の安定) ③有酸素運動(体脂肪の燃焼) ④手と目の連携が発達 ⑤深部感覚が発達 ⑥小脳の活性化(バランス力・調整力) ⑦記憶力・集中力アップ
⑶ おすすめの技 (小さい子ができる技も。楽しく上達できる検定制度もある)
・どじょうすくい:玉を持って、玉の穴に(横にして置いたけん玉の)けん先を入れてすくいあげる。
・金魚すくい:(玉の穴を下にして置き)けんを持って、大皿に玉をのせる(すくいあげる)。
・大皿ポップ:大皿に玉を手で乗せて、皿の上で玉を浮かして再び大皿に乗せる。
・もしかめ:大皿に玉を乗せて、玉を宙に浮かした瞬間に中皿に差し替え、これを繰り返す。
◇おすすめボードゲーム(カードゲーム)
「マンカラ」
⑴ 由来
「マンカラ」は、アフリカや中近東、東南アジアにかけて古くから遊ばれている伝統的なゲームの総称。名前の由来はアラビア語の[naqala(動く)]から来ている。遊び方は、全世界で百種類以上あるとされる。マンカラの遊び方はとてもシンプルで、子どもから大人まで楽しめる。
⑵ 遊び方
準備するアイテムは、おはじきなどの石と、石を入れていくポケット(穴)が6個×2列並び、列の両横にストア(store,貯蔵所)と呼ぶ大きな穴があいたボード。ボードをはさんで向かい合わせに座り、ボードのポケットに同数おはじきを入れて、自分の陣地の穴から石を早く無くした人が勝ち(ストアに貯めていく)。
⑶ ルール
手前の6つのポケット(穴)が自分の陣地、向かいの6つのポケットが相手の陣地。まずは各ポケットに4個ずつ石を置きます。自分の陣地の好きなポケットから石を全て取り出し、反時計回りに石を1個ずつ置いていきます。順番にそれを繰り返し、どちらかの陣地のポケットから石がなくなり次第ゲーム終了。勝敗のつけ方は、それぞれのルールによって変わる。
シンプルなルールだが、先を読んだり相手と駆け引きをするなど、頭を使った戦略が必要なので、子どもの知育玩具のひとつとしても考えられている。木製ボードにガラスのおはじき入れていくときにする「カラン、カラン…」という音と感触も心地よい。ゲームの先を読み間違えると悔しいが、よい展開で自分の番が続くと気持ちが高揚する。
⑷ 子供の発育、高齢者の認知症予防に効果的
マンカラはルールが単純なので、初めてやる人でも頭の中でルールを覚えやすいし、直感で理解することもできるゲームといえる。
これは大切なことで、ルールが簡単だと、しっかり頭を使う段階にすぐに入ることができる。基本のルールが分かれば、「ここをこうやって、次をこうやって」と自分で試行錯誤しながらプラスアルファのことを考えることができるので、脳が活性化する。これが複雑なルールだと、覚えるのが大変で嫌になり、脳の活動が下がってしまう。つまりマンカラは、遊びの中で楽しみながら、頭の使い方(ワーキングメモリー)を鍛えられるゲームと言える。
[「日本レク協会」参照]
◇おすすめのぬりえ
「大人のぬりえ」…「雨水」
ぬり絵を通して日本の四季を深く知る事ができる。心と身体のバランスを整える効果もあり。
1日15分、楽しく自由にぬるとよい。 [自律神経を整えるぬり絵 日本の二十四節気をぬる]
[はがてぃの作品を紹介!] ~色鉛筆~