『暦の上では夏って、いつから?』

『暦の上では夏って、いつから?』

立 夏:令和5(2023)年 5月6日

夏の立つがゆへ也 [暦便覧]

◇立夏の気候は?

暦の上では立夏(5/6)から立秋(8/8)の前日までが夏。野山が新緑に彩られる季節。夏といっても本格的な夏はまだまだ先。日差しが強くなり気温が高くなり気温が高くなる日もあるが、基本的には暑くもなく寒くもなく、湿度が低く風もさわやか。とても過ごしやすく、レジャーやお出かけに最適な気候。かえるが鳴き始める頃。

◇立夏の動植物・自然現象などは?

・ほおじろ……頬が白いことから名前がついた。一年中いる鳥だが、4月~7月に繁殖期を迎える。見かけるのは、草原や田畑。澄み渡る独特の鳴き声で、高いところにとまって鳴いている。鳴き声に近いことばをあてはまる聞きなしでは「一筆(いっぴつ)啓上(けいじょう)仕り(つかまつり)(そうろう)」や「源平(げんぺい)つつじ白つつじ」などとされているほど。でも本当にそんな不思議な鳴き声に聞こえるのか、確かめるためにも聞いてみたい。

〈愛鳥週間:5/10~16〉

時鳥(ほととぎす)杜鵑(ほととぎす))……インドから中国南部に越冬する個体群が、5月中旬ごろ日本まで渡ってくる渡り鳥。田植えの目安にもなっていた。短歌人の性格の例にも使われた。

「鳴かぬなら殺してしまえ時鳥」  織田信長 

「鳴かぬなら鳴かしてみよう時鳥」 豊臣秀吉 

「鳴かぬなら鳴くまで待とう時鳥」 徳川家康 

「鳴かぬならそれもまた良し時鳥」と詠んだのは、松下電器創業者の松下幸之助である。

・カエル……朝晩の寒さも和らぎ、カエルがようやく鳴き声を聞かせ始める。カエルは必ず元の場所に帰る習性があることから「帰る」が語源になったといわれる。「お金が返る」「無事に帰る」など、縁起の対象として扱われる。

私が東京都下に住んでいたころ、カエルが公園の池の淵にびっしりと産卵していた。その卵からオタマジャクシが出てきて、小さなカエルになると、池から上がり草むらや小高い丘にのぼっていくのだが、その時期、公園の小道が黒い水玉模様になる。(イメージとしては、まっくろくろすけが一斉に移動する感じ⁉)歩く足元に注意が必要だったのを思い出す。

・ミミズ……土の中で冬眠していたミミズが、遅い目覚めで這い出して来る頃。ミミズは目がないため、「目見えず」が変化したものが語源になっている。目は見えないが光を感じる細胞があり、暗がりへ進む性質を持っている。

古くから、ミミズがいるとよく肥えた土ができるといわれてきた。土の中の微生物を食べ、排出した糞により植物が育ちやすい土質に変えてくれるのだ。また、漢方では解熱や気管支を広げて咳を和らげる効能があるといわれている。

[参考:絵で楽しむ日本人として知っておきたい二十四節気と七十二候]

芍薬(しゃくやく)……花言葉は恥じらい、慎ましさ。美人の代名詞として日本で古くから親しまれてきた。ピンポン玉のような丸いつぼみから大輪の花が咲く。5月の切り花として人気が高く、色も種類も豊富。アジア原産だけに和の緑と合わせるととてもしっくりとくる。透き通るような色味でインパクトもあり、近年ウェディングブーケにも人気がある。

・カーネーション……花言葉は純愛、無垢で深い愛。母の日に贈られる花。ほのかな甘い香りと端正な茎姿、バレリーナのチュチュのような折り重なる花びらが魅力だ。花持ちがよく、ギフト用の花として需要が高いため、日本全国で栽培する農家も多数。最近では花専用の染料で染めたレインボーカラーなど、染めのカーネーションもよく見かけるようになった。

[参考:旬のカレンダー 旬の暮らしをたのしむ会]

◇立夏の食べ物は?

・にんじん……免疫力を高めるカロテンたっぷりなのが、にんじんのうれしいところ。ただし、アスコルビナーゼというビタミンCををこわしてしまう成分があるので、加熱するか、生で食べるときはお酢と一緒に食べるとなおいよい。旬は4月~7月、11~12月。

・アサリ……さっぱりとしたお吸い物も、こってりとした酒蒸しもおいしいアサリ。旬は春が3~5月と、秋が9月。和洋を問わず、さまざまなメニューで活躍してくれる。春と秋の産卵期前が、最も食べごろ。鉄分やミネラルが豊富なので、貧血気味のときに取りたい食材だ。

「たけのことアサリの炊込みごはん」たけのこの風味がふわっと香る炊込ごはんは、この季節の楽しみのひとつ。ミネラルが豊富なアサリと一緒に炊き込むと、たけのこだけでは不足しがちな鉄分を補ってくれる。

・金目鯛……大物は体長50㎝を超えるという金目鯛。釣りたては淡いピンク色で、しだいに赤くなる。旬は5月~6月、冬。大きいほど脂のりがよくて美味。煮付けや塩焼きはもちろん、刺身、しゃぶしゃぶ、カルパッチョでいただいてもよい。煮付けにするときは、脂が強いので、味付けはこってりがよい。皮目が赤くあざやかで、目が丸く透き通ったものが新鮮だ。

◇季節のことば [茶道手帳 令和5年版]

 流鏑馬(やぶさめ)   杜若(かきつばた)   早乙女(さおとめ)   五月(さつき)(ばれ)   五月雨(さみだれ)   晴嵐(せいらん)   (すい)(そう)   (から)(ごろも)   (こけ)清水(しみず)

◇季節を感じる行事など

・鵜飼い開き……1300年の古い歴史があるという長良川(ながらがわ)の鵜飼い開きの日は、5/11。夜の川に、かがり火を舳先に焚いた()(ぶね)が何艘も現われ、舟上にいる()(しょう)の巧みな手縄さばきで10羽~12羽の鵜を従える。鵜たちが上手に鮎を捕まえながら、鵜舟は川を下っていく。

()(みず)()る……田植え間近のころ、まだ土が出ている田んぼに、水を流し込んで水田(すいでん)にする作業を田水張るという。深く土を耕す()()こしをした後に水を張り、さらに苗を植えやすいように代掻(しろか)きという水の底の土をかき混ぜる作業をする。これで田植えの用意の整った代田(しろた)になる。

・葵祭……葵祭は、平安時代に行なわれていた祭りだ。京都の賀茂(かも)御祖(みおや)神社(下鴨(しもがも)神社)と加茂別雷(かもわけいかづち)神社の例祭で、5/15に行われる。路頭の儀と呼ばれる大行列は、平安貴族の装束に牛車まで。江戸時代に祭が再興されてから、行列には葵の葉が飾られるようになったという。

・旅の日……松尾芭蕉が『奥の細道』へと旅立った旧暦の元禄2年(1689年)3/27(新暦5/16)にちなんで、この日を旅の日とした。東京・深川の芭蕉庵を離れ、弟子の曾良(そら)を伴って、東北や北陸の地を訪れては句を詠んだ。5月は旅をするのに気持ちのよい季節といえる。

「月日は百代(はくたい)()(かく)にして(ゆき)かふ年も又旅人也」  松尾芭蕉『奥の細道』より

(月日は永遠の旅人であり、過ぎゆく年もまた旅人である)

[参考:日本の七十二候を楽しむ ―旧暦のある暮らし―]

★ 児童厚生員 はがてぃ のおすすめあそび♪ 【季節感のないものもあるよ】★

◆おすすめボードゲーム(カードゲーム)

◇「ナインタイル」……2~4人用。対象年齢6歳以上。プレイ時間約15分。

判断の早さと記憶力が問われるテーブルゲーム。手元にある9枚のタイルを誰よりも早くお題どおりに並べるだけのカンタンなルール。しかし、タイルには表裏それぞれちがうマークがついていて、すばやく並べるにはなかなか頭を使う。6種類のマークがカラフルでキュートなデザインなので親しみやすい。友達や家族とのコミュニケーションや、知育にぜひどうぞ。

・ゲームの概要

〈準備〉

 ①カードの隅にあるドットの数(1~4)が同じゲームタイルを9枚セットで用意する。(1人分)

 ②9枚のゲームタイルを3×3で9枚並べる

 〈遊び方〉

1. お題カードをめくって、そのカードに書かれている6種類の模様を見て、お題どおりにゲームタイルを(裏表をよく見て)並び替える。一番早く揃えた人が勝ち。

2. 勝った人はお題カードを貰う。一番早く4枚集めた人の勝利。

 〈遊び方のポイント〉

ルールは簡単ですが、タイルの裏表の組み合わせをよく考えないとうまく揃わない。すばやく並べるためには、判断の早さと記憶力が大事だ。

もうあと1枚だけで揃うのに、残ったタイルが思いどおりにならずにまたひっくり返して探し直しになったり。どこだ~!と思わず叫びたくなってしまう。

すぐに理解できるおもしろさで、普段ボードゲームをまったく遊ばない人はもちろん、子供から大人まですぐに盛り上がれる、間口の広いパーティゲームになっている。また、通常は4人プレイだが、本製品を2パッケージ使用することで最大8人までいっしょに遊ぶことができる。

[参考:oinkgames]

◇「ハゲタカのえじき」……2~6人用。対象年齢7歳以上。プレイ時間約15分。

他のプレイヤーよりも大きい数字カードを出して、得点カード(ハゲタカカード)を獲得することを狙う。

手番では「数字カード」を出し、最も大きい数字を出したプレイヤーが「ハゲタカカード」を獲得できる。ただし、他のプレイヤーと同じ数字を出してしまった場合には獲得することができない。そのため、他プレイヤーが今までに出したカードなどを考慮して、数字カードを選ぶのが悩ましいゲーム。

・ゲームの概要

〈準備〉

 ①各プレイヤーに「数字カード」を15枚配る。「数字カード」は、「1」~「15」の各1枚で構成されている。

 ②「ハゲタカカード」はシャッフルして山札にする。「ハゲタカカード」は、「−5」〜「−1」、「1」~「10」の各1枚で構成されている。

 〈遊び方〉

1. 「ハゲタカカード」を1枚めくる。

2. 各プレイヤーは、「数字カード」を1枚選んで裏向きに出す。

全プレイヤーのカードが揃ったら、同時に「数字カード」を表向きにして数字を比べる。

3. 「ハゲタカカード」の獲得は、得点がプラスかマイナスかによって変わる。そして、同じ数値がでたら…。

【得点がプラス(1~10)の場合】

最も大きい数字のカードを出したプレイヤーが、「ハゲタカカード」を獲得できる。

【得点がマイナス(-5~1)の場合】

最も小さい数字のカードを出したプレイヤーが、「ハゲタカカード」を獲得できる。

【同じ数値のカードが出た場合】

そのカードを出したプレイヤーはカードを獲得できない。

「ハゲタカカード」は、次に大きい/小さい「数字カード」を出したプレイヤーが獲得できる。

これを全15枚の「ハゲタカカード」がなくなるまで繰り返す。

4. 『ハゲタカのえじき』の得点計算と勝利条件

全15枚の「ハゲタカカード」の所有権が決まると、ゲームが終了。

今までに獲得した「ハゲタカカード」を合計し、最も得点の高いプレイヤーがゲームに勝利。

 〈遊び方のポイント〉

「ハゲタカのえじき」の最大の特徴は、他プレイヤーとの数字カードが重複すると最大値のカードでも「ハゲタカカード」を獲得できない点にある。他プレイヤーと同じ種類のカードを出してしまうことをバッティングと呼ぶが、そのシステムの面白さが最大限に発揮されているゲーム。

ゲームに勝つには、他プレイヤーの残りカードに何があるかを覚えておく記憶力と、その残ったカードの中で相手が何を出してくるのかの読みが重要。特に相手の残りの数字の最大値がいくつであるかは、勝負をどこでかけるかの判断に必要。例えば「15」を持っているプレイヤーが自分だけになれば、このカードを出すことによる勝ちは約束されている。

とはいえ、序盤はどの数字を出してくるのかの腹の探り合い。

遊ぶ際に最も緊張するのはマイナスの「ハゲタカカード」が出てきた時だ。ここにどの数字を使ってくるのかも各プレイヤーの思惑が色濃く見える。大きい数字を出せば出すほどマイナス点を回避できるが、あまり大きい数字を出してしまうとプラス点を獲得する際に影響が出るので、どのくらいマイナスの回避に他プレイヤーが投資してくるのかを見極める。

1枚目に出したカードから、2枚目以降のマイナスカードに対しての相場が出来上がるのが面白く、ドキドキする。このドキドキ感がたまらない。

[参考:ニコボド]

◇おすすめのぬりえ

「大人のぬりえ」……5月「藤棚の園」(一部)

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[はがてぃの作品を紹介!] ~色鉛筆~