『自然をたたえ、生物をいつくしむ日って、いつ?』


『自然をたたえ、生物をいつくしむ日って、いつ?』

春 分:令和5(2023)年 3月21日
日天の中を行て昼夜等分の時也 [暦便覧]

◇春分の気候は?
少しずつ暖かさが増し、関東以西では桜が開花し始める。暖かい日が続かず、寒の戻りもあり、花冷えとなる日もある。 年によって、3月中旬以降は関東以西で曇りや雨のぐずついた天気が続くことがあり、この雨は菜種梅雨と言われる。春雷が稲光り、雷鳴がとどろきはじめる時季。「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるように、だんだん過ごしやすい季節になっていく。雀が巣づくりの準備にとりかかる頃でもある。

◇春分とは?
昼夜の長さがほぼ同じ頃であり、この後は昼の時間が長くなって行く。太陽は赤道上にあり、地球のどこにいても昼と夜の長さが同じになる日。しかし、厳密にいうと実際には昼のほうが少し長いそう。

◇なぜ、お彼岸なの?
春分の日は、太陽が真東から出て真西に沈む日。浄土思想では、極楽浄土は西方にあり、太陽が極楽浄土に向かうと考えられたことから、煩悩を払うため西に沈む太陽に祈りを捧げ、極楽浄土へ思いをはせるようになったという。(所説あり)
春分の日、秋分の日は「此岸と彼岸が最も通じやすい日」とされ、この日に西に向かって拝むと、功徳が施されるとも信じられた。それから、春分の中日を中心に供養を行うようになったという。
春分の日、秋分の日のそれぞれを中日とし、その前後3日間をあわせた7日間がお彼岸となる。これをきっかけに、冬の厳しい寒さや夏の暑さに別れを告げる、という目安にも。春のお彼岸を「春彼岸」、秋のお彼岸を「秋彼岸」と区別して呼ぶこともあるようだ。

◇祝日なのはなぜ?
「国民の祝日」は、国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)により、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために定められた「国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日」。
[内閣府HP/国民の祝日について]
また春分の日は、もとは旧法にあった「春季皇霊祭(しゅんきこうれいさい)」から改称された。春季皇霊祭は、春分の日に宮中の皇霊殿で行われる先祖を祀る宮中祭祀の一つ。なお、宮中では、春分の日には春季皇霊祭と春季神殿祭(しゅんきしんでんさい)が行われる。神殿で行われる春季神殿祭は、神様の恩に感謝を捧げることを目的としている。この祭祀は、戦前の日本では非常に重要な儀式の一つとされていたので、国民の祝日になったのだろう。
春分は昼夜の長さがほぼ等しく、寒さに耐えていた草木が芽吹くにつれて、「自然のあらゆる生命が若々しく盛り上がる時」で、春の到来を待ち遠しく思い「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」とされている。

◇イースターって、いつ?
イースター (復活祭) は、イエス・キリストの復活(生き返った日)を祝う祭り。命の象徴である卵の他、多産なうさぎがイースターのモチーフとされて、カラフルなイースターエッグなどが飾られる。
春分の日以後の満月より後にくる最初の日曜日という複雑な定義になっている。(3月22日~4月25日)
[参考:国立天文台 > 暦計算室 > 暦Wiki ]

◇世界各地の春分の日とは?
春分の日では、北半球が春、南半球が秋で、北半球ではこの日を境に日が長くなり、秋分の日は、この逆になる。ヨーロッパでは、春分の日をもって春の始まりとすることが多い。
中国では春分の日に、太陽神を祀る行事が行われ、太陽神に小さな丸餅「太陽糕(たいようこう)」を供えるという。卵を立てる、という風習もあるとか。
ペルシャ語で元旦(新しい日)を意味するノルワーズは、春分の日に行われる祝いの祭事でイラン、中央アジアを中心に幅広い地域で行われるという。世界的に見ても、春分の日を境に春を寿ぐ祭りや行事を開催する地域が多いようだ。春を迎える喜びは、全世界共通といえるのかもしれない。
[参考:JAL/SKYWARD+]

◇春分の食べ物は?
・真鯛……春の真鯛は、うっすらとしたピンク色になるので「桜鯛」と呼ばれる。キラキラと輝いて見えるのが特徴で、春の訪れを告げるめでたい魚。3月ごろから産卵期を迎え、その時期にピンクになるという。塩焼きや煮付けでどうぞ。
・ほたて貝……旬は産卵をひかえる冬から春にかけて、とくに3月ごろが美味。名前の由来は、殻が開いたときの様子が帆を立てた船に似ているからだととか。ほたて貝の殻を片方外して網にのせ、火にかける。焼けてきたらバターを入れてしょうゆをたらし、バターが解けたら帆立のバターしょうゆ焼きが完成。

桜餅……あんの入った餅を桜の葉の塩漬けで包んだもの。小麦粉などの皮であんを巻いた関東風ともち米を使った道明寺粉の皮の中にあんを詰めた関西風がある。春を感じる和菓子のひとつ。


・ぼたもち……もち米とうるち米を混ぜてはんごろし(米粒を半分潰す)して丸めたものにあんをまぶした食べ物。そのうち、春と秋はそれぞれ花の名前で呼ばれた。春は牡丹の花に見立てて牡丹餅 (ぼたもち)といい、もち米とうるち米の分量はもち米が主で餅になるまでついて少し大きめに丸め、こしあんをまぶしたとされる。そして、秋は萩の花に見立てて御萩(おはぎ)といい、もち米とうるち米の分量はうるち米が主で米の粒が残る程度に少し小さめに丸め、周りは粒あんにきな粉もまぶしたとされる。さらに、夏と冬は言葉遊びの名前が付けられた。夏は、もちと作り方が異なるため、「ペッタン、ペッタン」という音を出さずに作ることができ、隣人にはいつ搗いたのか分からない。「き知らず」を「き知らず」として、夜は暗くて船がいつ着いたのか分からないことから、夜船よふね。冬には、「き知らず」を「つき知らず」として、月が見えないのは北側の窓だ、ということから北窓きたまどと呼ばれたらしい。(諸説あり・地方によっても異なる)
[参考:Wikipedia]
 

◇春分の植物は?
・つくし……春の季語にもなっている。土手や田畑に自生している。山菜として食べることもできる。
・チューリップ……春の代表的な花で、地中海沿岸が原産の秋植え球根。産地は、世界的にはオランダが、日本では新潟や富山が有名。チューリップの開花には、冬の寒さが必要であるため、冬は雪が多く、夏まであまり気温が上がらない場所でよく育つ。
色や咲き方も多種多様で、一重咲き、八重咲き、ユリ咲き、パーロット咲きなど、バリエーションも豊富。
・桜……日本の国花は菊と桜で、桜ほど毎年、日本各地で開花が待たれる花はめずらしく、世界でも類を見ない。日本で有名な「ソメイヨシノ」は、「エドヒガンザクラ」と「オオシマザクラ」の種間雑種である。

◇季節のことば  [茶道手帳 令和5年版]
巣立  門出  遠霞(とおがすみ)  磯(いそ)の香(か)  玉(ぎょく)琴(きん)  桃の花  都(みやこ)をどり  山桜  花吹雪  雪柳

◇季節を感じてみよう
・「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく、山ぎは少しあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。」 [清少納言『枕草子』第1段]
これは、有名な随筆の一節ですが、春(しゅん)暁(ぎょう)とは、夜が明けようとしているが、まだ暗い時分のことをいう。万葉の時代には、あかときといい、平安以降、あかつきに変わったとか。曙は暁よりやや時間的に遅れ、夜がほのぼのと明けようとするころのこと。


[参考:日本の七十二候を楽しむ ―旧暦のある暮らし―]
・「春眠暁を覚えず、処々(しょしょ)に啼(てい)鳥(ちょう)を聞く。夜来風雨の声、花落つること知る多少(春の眠りは心地よくて、明け方になったのも気がつかず、鳥があちこちでさえずる声で目を覚ます。そういえば昨晩から雨の音がしていたが、花はどれほど散っただろうか)」 [孟(もう)浩然(こうねん)『春(しゅん)暁(ぎょう)』]
これは、七~八世紀の中国、唐王朝の時代の詩人孟(もう)浩然(こうねん)の詩である。
[参考:故事成語を知る辞典/故事成語を知る辞典について]
・上記の二つを味わうと、春暁はとてもすがすがしくて良いものであろうが、同時に気候のよさからなかなか目覚められないので、貴重な瞬間とも言えるのではないか。なので、ぜひこの日は早起きして春暁を感じる!という日を作ってみたいと思う。

・お墓参りのついでに、足を延ばしてみては?
お彼岸はご先祖様への感謝の気持ちを伝えにお墓参りに行くのもよいでしょう。故人やご先祖様を改めて感じる大切な時間になることでしょう。この機会に、ハイキングやサイクリングなどして、この時期ならではの風を感じ、鳥の声を聞き、植物や雲の様子を眺めて、自然と触れ合う時間を作るのも良いかもしれない。
春分の頃によく見られる植物には、牡丹(ぼたん)、木蓮、ミモザ、タンポポ、などがある。

★ 児童厚生員 はがてぃ のおすすめあそび♪ 【季節感のないものもあるよ】★

◇おすすめの創作
「桜のモビール」の作り方
① キッチンペーパーの芯を潰して1㎝幅にカットする
② ①を10個作ったら、そのうちの5個を半分に折る
③ ①と②を交互にのり(ボンド)でつける
④ ①の先の方を(桜の花びらの先端のようになるように)1cmほど折る
⑤ ①~④をいくつか作り、スプレーでピンクに色付けする
⑥ 糸を通して、壁や天井などにぶら下げる

◇おすすめボードゲーム(カードゲーム)
「立体四目ならべ」(3次元の4目ならべ)


ルールはシンプル。白と黒が交互に玉を置いていき、先に4目並べた方が勝ち。
(すべて置ききっても勝負がつかなければ引き分け)
縦と横と斜めの平面と立体があるので、多角的な視点が求められます。
自分を守ることばかりに気をとられると、いつまでも勝てませんが、攻めることだけを考えると、相手からの攻めにきがつかない事があります。2~3パターンを意識して攻めると、ダブルリーチで追い込めます。
小学生くらいから大人まで楽しめます。

「ドブル」


カードに共通する図形を早く探すスピード系ゲーム。子どもから大人まで楽しめる。
丸いカードには8種類の図形が描かれています。カードは不思議な仕組みになっており、どの2枚の組み合わせでも同じ柄の図形が必ず1組だけある。各プレイヤーは、山札と自分のカードの共通の図形をいち早く探して取る。これを繰り返し、最終的にカードをたくさん獲得した人が勝ち!
2〜8人用の少人数から大人数まで楽しめるワイワイ系オススメゲーム!
[ JELLY JELLY CAFÉ ]

◇おすすめのぬりえ


「大人のぬりえ」…「春分」
ぬり絵を通して日本の四季を深く知る事ができる。心と身体のバランスを整える効果もあり。
1日15分、楽しく自由にぬるとよい。          [自律神経を整えるぬり絵 日本の二十四節気をぬる]

[はがてぃの作品を紹介!] ~色鉛筆~