楽さんのエンタメ語り<番外編>街のギャラリー

イラストレーター / nao tatsumi (辰巳菜穂)

ピカソより、普通に、ラッセンがすーきー。のギャグには意外とシンパシーを感じる。ラッセンが特別に好きなワケじゃないけど。なので美術館や博物館に足を運ぶことは滅多にない。しかし、出先で小さなギャラリーを見つけると衝動的に入りたくなってしまうことがある。まだ世に出る前の原石を発掘するようなワクワク感がたまらないのだ。

数年前に、たまたま訪れた清澄白河のギャラリーで出会った辰巳菜穂さんのイラスト作品には、ひとめぼれだった。Googleのストリートビューで見つけた海外の風景が旅先のスケッチみたいに描かれた「Street View Journey」シリーズが最高だ。人を描かずに人の気配(生活)を風景と共に描くという彼女のこだわりが作品の個性になっているのかな。今や世界中に熱烈なコレクターたちがいるのも理解できる。できれば原画を手に入れたいけど、もう自分には手が届かないぐらい高騰してしまった。だから初期作品をコンプリートした画集を早く出してほしいのだ。